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小説を移したとはいえ
せっかく作ったブログなので、日記にしてみようかなと思いました。
といっても小説以外は文章を書いているわけではないので、それほど書くことがないのですけれど。
なにか変化があったら書くことで、変化がなければ書かないということで。

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引っ越しました
小説を引っ越しました。
今度の引っ越し先は小説のためのプログラムなので、管理は楽になるかなと思います。
こちらです。
↓↓↓↓↓↓
http://novel.fc2.com/novel.php?mode=tc&nid=125382


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ひっこします
いろいろと修正してみたのですが、やはり改善することは難しそうなので、どこかレンタルで使えるブログに移行しようと思います。
また引っ越し先が決まりましたら更新します。

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不具合
どうにもサイトの調子がよくないようで、うまくレイアウトが表示されません。
いろいろといじってますが、うまくいかないようでしたら引っ越したいと思います。

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2-8
 実際企画部に割り当てられた経費は、会社の存続に大いに貢献できるだけの金額だったことは下泉も知っていた。社長の頭の中では、『部長職の解雇は無理だろうから、他の部署にでも降格させて--経済がよくなれば、また企画室くらいは作ってもいいか』と、いったプランがあったに違いない。前部長の田村の顔が浮かんだ。
「今の社長は穴だらけだよ。こんなご時世だし会社が傾いても仕方ない。ただ、このままで終わらせるようなことはしないよ」そしてにっと笑って「社長にもいっしょに不幸のランデブーを踊ってもらおうかと思ってるんだ」
 下泉は何とも言えずに、うなずくしかなかった。噂で聞いているイメージとは少し違う。少しばかり好感がもてたのだが、ただ、最後には「よくもまあ会社の近くでこんな悪巧みを考えるものだ」と呆れた。

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2-7
「企画ってどうよ?」
 唐突にそう聞かれると返答に困った。どうよと聞かれて<そうよ>とも言えない。
「今の社長さ、あの人はもともと企画という仕事を信頼してないんだよな。もともと営業畑出身だったから、企画とは考え方も正反対だし、目の上のたんこぶだったんだろう。昔こっぴどく企画に叩かれたっていってたし」
 あごに手を当て昔を思い出すように話す。おそらく桑原は社長の下で働いていたのだろう。
「要するに昔の遺恨だな。社長は現場で仕事をとってくる営業こそが戦力だと考えているふしがあったし。それに比べ、企画は机上の空論を展開しているだけのお荷物でしかなかったわけだ。企画などくその役にも立たない、放っておけばプロジェクトを遂行できるだけの人員はいないわ、そうなれば上から叩かれるわで、近いうちに移動願いなり辞職届けでも出すと思ったんだろう。そうなれば会社としてはいくらか存亡の危機の乗り切ることができるからな」
 桑原は両手を広げて、半ば嘲笑ぎみに言った。

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2-6
「ワタシが桑原です」一呼吸おいて、「社長から直々に『少数精鋭でやってくれ』と言われたんでねえ、この三人なのよ。少ないんだから、仲良くやろうねえ」
 うれしそうな笑みで言った。
 下泉は悪魔に魅入られたように、血の気が引いた。その仲良くやろうねえとは、生け贄にされるということだろうか。こっちは結婚してまだそんなに経ってない。家だって買いたいし、子供だってほしいのだ。一難去ってまた一難だ。人生とは過酷なものだと思い知らされた。
 正午が過ぎ、パソコンで作業していると、しばらくして香坂が呼びに来た。なんだかうきうきした顔をしていた。
「下泉さん、桑原部長が呼んでますけど」
「部長、どこにいるの?」
 下泉は呼ばれた場所、会社の近くにある喫茶店へ向かった。店内は落ち着いた雰囲気で、少し暗い照明がそれを醸し出している。テーブルの間を抜けていくが、会社の者はいないようだ。一番奥の席に桑原が新聞を読みながらコーヒーを口に運んでいた。
「よ、来たね」
 目で席を勧めてきた。下泉はぎこちない動作で席に着く。
「ま、そんなに堅くならないで、別にとって食おうってんじゃないんだし」
 そう言われるとますます堅くなった。本当にとって食うつもりじゃないのか。
 桑原は上目遣いにウェイトレスを呼ぶと、下泉のためにコーヒーをたのんだ。持っていた新聞を脇に置き、のぞき込むように顔を見た。


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2-5
「新部長が来られるのは、たしか今日ですよね」
「うん、そうだね」
「どんな人なんでしょうね?」
 下泉は思案した。正確な噂を伝えてよいものか。あまりにもひどい噂ばかりだったから、正直、逃げ出してしまうんじゃないかとさえ思った。ここは現実を直視してもらうのが、一番ベターだと判断する。
「けど、これから大変だよな」
「そうですよね、企画も三人だけですし、わたしもがんばらないとだめですもんね」
 香坂は新人らしく、元気のある声で言った。華奢な腕を曲げて出てこない力こぶを作って見せる。
 下泉はそれを見て笑った。
 扉がノックされる。香坂が「はい」と高い声でそれに答えた。
 中肉中背の男が入ってきた。下泉は桑原だろうと思った。噂通りたしかに男前である。噂の最終兵器はいがいにも普通の男に見える。が、とたんに素性を表した。きざったらしく「部長席はどこかね?」なんて香坂に声をかける。
 そして桑原は二人を呼び集めると、おほん、と咳払いした。


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2-4
「あと、俺の後がまだがな……」と、消え入りそうな声で田村が言った。
 部長職も左遷となれば、人事は誰かを出さねばならない。いったい誰が来るというのだろうか。といった表情が出ていたのだろうか。田村はにやっと乾いた笑いで、「営三の桑原だよ」と、言いながらこちらに向き直った。
 桑原、この会社にも桑原の姓は何人かいるだろうが、営業三課の桑原といえば一人しかいない。当たり前である。当たり前であるが、血の気が滝のように引くのを下泉は感じた。
 いわく、人間最終兵器。言いえて妙である。営業部でも異端扱いされていると聞くが、まさか企画に来るとは思ってもみなかった。会社は大量リストラの怨念を抑えるために、企画部を人柱として供えるつもりなのか。
 田村が笑っていた。これ以上ないくらいに悲観した後の乾いた笑みだけが室内に残響した。
 一斉解雇通告後、下泉は誰もいない部屋でぼんやりと座っていた。今日は日曜日や休日ではない。れっきとした平日であり、勤務時間中であり、したがって仕事をしている時間である。
 窓から差し込む太陽光が、室内を浮き世離れしたように見える。並んだ机、積まれた書類、こうして眺めていると、企画部の部屋は、広かったのだと改めて思う。
 がちゃりと扉のノブが回され、香坂が部屋へと入ってきた。


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2-3
 傾いた会社は立て直しの時期にきているのだろう。それが解散という形にならないだけマシというものか。どうすれば未来予測ができるかなんて、それこそ神様以外にはわからない。ここにアカシックレコードでもあれば別の話だが、そんなもん、あるはずもない。
 田村が帰ってきた時には、退院してきた病人のように肩を落としている。そして全員の作業を中断させると、弱々しい声で言った。
「人事は後ほど発表があるが、下泉と香坂以外は全員解雇の処分となった」
 一瞬ざわつき、すぐに静かになった。下泉と香坂以外は幽鬼のように、まるで精気が感じられなかった。入社してこれからという者、ローンで家を買った者など、ほとんどの人間がこれからの生活に不安を隠せなかった。事前に情報が流れていたとはいえ、このニュースに部内が黒く沈んでいくようだった。悔しさよりも落胆、後悔よりも不安が色濃くでていた。まあ、自分が同じ立場ならそうなっていただろう。ただ、たまたま運が良く生き残っただけのことだと下泉は思った。

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